【炭素税の正体とは】

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【炭素税の正体とは】

主な炭素税導入国の制度概要(2017年3月時点)

 2021年度に導入が進められていた『炭素税』が見送られることになった。
 炭素税?聞き慣れない人も多いかもしれないが、炭素税は世界規模で進められている地球温暖化対策の肝となる温室効果ガスを抑制するためとかこつけた財源のための税金だ、CO2税という国も多い。

 見送られたという日本でも実は2012年(平成24年度)に炭素税と同様な税が導入されている、温対税だ。
 それ以外にも実は解釈の範囲で内訳を一般財源化することで税金名目を変えずに増税を実現することができるのだが。
 揮発油税(ガソリン税)に更に新しい税を課すのか?それともガソリン税に代わって炭素税を徴税するのか?ガソリン税+炭素税+消費税と言うトリプル税になるのか?世界的な流れと言うのは本当か?道路整備の為と言う名目の揮発油税(ガソリン税)が、環境に配慮した【炭素税】の扱いに取って代わるのであれば、所轄は国土交通省から環境省に所管が代わり、利権も移転するのか?引き出しが多すぎて疑問も解消されない。

実はガソリン税は遥か昔の小泉政権時に【一般財源化】を目指し、福田政権下でそれを実現している。

この動きは小泉構造改革時に当時経団連会長だったトヨタ出身の奥田 碩(おくだ ひろし)会長の猛反対を押し切ってまで断行した経緯がある(ただし今でも国土交通省は色々とくちばしを突っ込んでくるらしいが)。これは当時から、将来的に排ガスを規制する環境税が生まれてくる事を予期していた政管(特に菅)の意向で間違いない。

 道路整備目的では徴税目的に齟齬が生じるガソリン税を、あらかじめ一般税化すべしとの思惑が、かなり以前からあったのだろう。

 ハイブリット車の誕生や軽自動車を始めとする低燃費車の出現や国民の貧困化で、自家用車の減少や軽自動車への移行、移動の減少でガソリンの消費が下降の一途を辿っている上に、将来の電気自動車や水素自動車の誕生に備えて『徴税名目を備えておきたかった』という事で大きくは間違っていないと思われる。

 将来に向けての徴税目的の整理に、状況の変化に乗じた権益争いが少々…と言った所で総括出来るのではないだろうか?

 そう考えれば当時の財務省が【重要税+ガソリン税】と言う道路族の大利権の片翼である【特定財源】を一般財源にする事で国土交通省から奪えるのであればと、積極的に賛成したのも深く頷ける筈だ。
「炭素税にするにあたって、様々な税を整理し、トータルで減税になるように調整いたします!」等と自民党の候補者が選挙演説ではそのような事を連呼吹聴するだろうけれど、財官にはそんな思考は全くない筈。
 三重税と言う事実上の増税で国民から搾り取ると言う流れも充分にあり得る話だと思う。環境省・中井事務次官も就任会見に際して炭素税新設に言及していた。新設の環境省も、炭素税を基に是非とも自分達で差配できる特別会計を持ちたいので在ろうことは明らかだ。

 塩川元財務大臣の『一般会計と特別会計の関係は母屋でおかゆ、離れですき焼き』と言う概念も現実もいまだ健在なのだろう。『日本のガソリン税の税率は世界第11位でまだ安い』のような一部の情報だけを切り取って国民を丸め込むのは官僚様にとっては朝飯前だ。メディアを駆使して何年か国民を洗脳すれば「仕方ないね」と宣うのが日本人の国民性なのだから、これはもうどうしようもないかも知れない。
【電気自動車のバッテリー製造時に生じる二酸化炭素への課税は?】とか【旅行業者からもっと徴税しろ!】などの現実的な話に政管が耳を傾けるはずはない。本来において、そういう話ではないのだろう。国民視点、庶民視点ではなんともやりきれない話だ。

 今となってはガソリン税は特別会計のままで道路整備に、消費税は導入時の公約通り社会補償の財源に使った方が健全で有効だったとさえ思える。それも今や、両者共々一般会計化して政府の借金返済(pbの黒字化)の為の財源に…。

 やはり炭素税が同じ道を辿る未来が、火を見るよりも明らかなのか?何れにせよ炭素税は環境とは縁遠い位置で育つだろう。彼等には実体経済や国民の実生活などに一瞥もくれる暇は無いのだから。

 大体において本質的な解決を目指すならば、ヨーロッパに倣い鉄道に多額の補助金を出して運賃を安く抑え、自家用車の保有数や走行距離を抑制する事の方が、エコカー開発やエコ税制よりも遥かにエコなのだから。

ナカダアキヒロ

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